医療用双眼ルーペ

  私にとってツァイス社製の双眼ルーペEyeMag PROは手術の必需品ですです。
 
双眼ルーペには手術以外の用途もあります。
1.2mm切開ばね指手術 → 5X300
  ガイドナイフに破損がないか手術直前に確認できます。
  皮膚切開が1~2mmと小さいので使っています。
2.手根管症候群の手術 → 5X300
  専用LED照明 EyeMag Light II を装着して使います。
  天井照明が届きづらい内部が明るく見えて便利です。
3.裸眼で見えない微細なトゲの抜去など → 6X215
  拡大率が大きなルーペを使います。
 双眼ルーペの利点
1.立体視により遠近感がよくわかる。
2.両眼視では倍率をはるかに超えて細部まではっきり見える。
時計の修理で片目まぶたに挟んで使う「時計見ルーペ」の倍率が10倍であるのに対して、ツァイス社製の双眼ルーペは倍率では及びませんが立体視の利点がそれを上回る威力を発揮します。
 
双眼ルーペとの出会い
昭和57年に開催された日本整形外科学会学術集会の器械展示コーナーでこのルーペと出会いました。

さっそく翌年の9月に4X450mm のルーペを購入し、その後ずっと診療の場で愛用しています。

当時は14種類(右図)の双眼ルーペが販売されていましたが、現在ツァイス社から購入できるのは黒字の10種類だけです。

白字の4種類は製造中止となりました。

また、、またLED照明 EyeMag Light は製造中止となり、代わりにEyeMag Light II が入手可能です。
 
ステレオ技術:立体写真と3D映像
双眼ルーペだけが立体視のための道具ではありません。以前から写真の世界では立体撮影用にステレオ・カメラがあります。

またレントゲン撮影においても立体撮影があることは別に述べました。いずれの場合も瞳孔間距離ほどレンズ(またはレントゲン管球)を離して同じアングルで2枚の写真を撮ります。

出来上がった写真をそれぞれ隣同士に並べて、左右の画像を別々に観察すると立体映像として見えてきます。

さらに、近年では映像が立体的に見える3Dテレビや、3D撮影用ビデオカメラも登場しました。

これまで「ステレオ」と呼び習わしていたものが、テレビ映像の世界では「3D、Three Dimensional=3次元」と名称が改まった結果です。

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